解決事例
窃盗事件の公判(裁判)を担当し、執行猶予判決を獲得しました。
【解決事例】
繰り返された万引きと転売行為──実刑回避に向けた粘り強い弁護
■ 相談前の状況
依頼者の方は、大手スーパーでの万引きを繰り返し、それをインターネット上で転売するという行為を長年にわたり続けていました。
その結果、ついに犯行が発覚し、逮捕・起訴されるに至りました。
起訴後に弊所にご相談があり、「前科もあり、実刑は避けられないのでは」と極度の不安を抱えていらっしゃいました。
■ 弁護活動の流れと対応
ご相談を受けてすぐに、公判弁護を引き受けました。
本件は非常に厳しい情勢にありました。
被害額が大きく、被害店舗も大手チェーンで、通常は示談に応じない方針
犯行期間が長期にわたり、余罪も多数、前科あり
転売目的の組織的かつ計画的な犯行態様
など、不利な事情が重なっていました。
しかし、私は依頼者の方の「更生したい」「人生を立て直したい」という強い意志に賭け、直ちに次のような対応を開始しました。
・示談交渉に向けた詳細な調査と、謝罪文書の丁寧な作成
・被害店舗の本部・担当者への繰り返しのアプローチと粘り強い交渉
・万引き依存の可能性を視野に入れた精神科医との連携
・依存症回復プログラムへの即時参加と、治療継続の意向を明確に表明
・本人による真摯な反省と、再発防止策を公判で明確に提示
こうした一つ一つの積み重ねが功を奏し、最終的には
「示談成立」および「被害店舗からの嘆願書提出」
という極めて重要な情状材料を得ることができました。
■ 結果
厳しい量刑が予想された事案でしたが、裁判所が依頼者の真摯な反省と更生への取り組みを評価し、執行猶予付き判決となりました。
依頼者の方は涙ながらに感謝され、現在も治療機関に通い続け、再出発に向けた一歩を踏み出しています。
■ 弁護士からのひとこと
刑事事件のなかでも、繰り返された窃盗・転売という事案は、量刑が重くなりやすい傾向があります。
しかし、「実刑しかない」と思えるような状況でも、適切な準備と弁護活動によって道は開けることがあります。
特に、被害店舗との交渉や、依存症治療など専門機関との連携は、弁護士の経験と熱意が問われる場面です。
「なんとか人生を立て直したい」と願う方に、私は全力で寄り添い、道筋を共に探します。
お困りの方は、どうか一人で抱え込まずにご相談ください。