解決事例

巨額の助成金詐欺事件において、執行猶予判決を獲得しました。

解決事例

■ 事件の概要
本件は、雇用調整助成金制度を不正受給したとされる詐欺事件です。検察官からは重い求刑がなされ、一般的には実刑判決が下されてもおかしくない状況でした。

■ 弁護の戦略と取り組み
本件では、次のような点に重点を置いて弁護活動を展開しました。

徹底した事実調査と真摯な反省の促進
被告人の方と繰り返し面談を重ね、事件に至る経緯、共犯者との関係、そして自らの意思決定の過程を詳細に把握。自身の行為を真摯に振り返る機会を持つよう促しました。

被害弁償の実現
被告人は、自らの取り分以上の金額を用意し、国に対して返還の意思を示しました。私たちは、実際の弁済が可能となるよう具体的な手続を準備し、自発的かつ積極的な被害回復の姿勢を明確にしました。

綿密な量刑判断の分析と説得的な主張
過去の類似事件の量刑傾向や判例を徹底的に分析し、本件が実刑ではなく執行猶予相当であると判断されるべき理由を整理。公判では、反省・被害弁償・再犯可能性の低さなど、裁判官に響くポイントを的確に伝えました。

被告人の今後の更生計画
被告人が社会復帰後に誠実に生活を立て直す意思があること、実際に就労や家族の支援体制が整っていることを示す証拠も丁寧に提出しました。

■ 結果:実刑回避、執行猶予判決を獲得
裁判所は、被告人の真摯な反省、被害弁償の意思、更生の見込みなどを総合的に考慮し、執行猶予付きの判決を下しました。

検察官による厳しい求刑に対し、執行猶予という結果を得ることができたのは、被告人の努力と、それを支える弁護活動の積み重ねによるものです。

■ 弁護士からひとこと
このような複雑かつ困難な事件でも、「やり直したい」「支えてくれる人のためにも立ち直りたい」という気持ちがあれば、再出発の道は開けます。
私は、依頼者の声に耳を傾け、裁判所にその思いが届くよう、事実と真摯に向き合ったうえで、最良の結果を追求する弁護を信条としています。

もし、今まさに不安や孤独を感じている方がいらっしゃれば、ぜひ一度ご相談ください。再出発の道を、一緒に探していきましょう。